和装に寄り添うベーシック
Style a kimono with basic casual items
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琵琶湖の北西側に高島市新旭町で作られている「縮織生地」は、江戸時代末期に農民の冬季における副業として織られたのが始まり。大正時代の「縮織生地」の流行により全国的に有名になったそうです。現在高島では、琵琶湖へ流れる安曇川の流水を利用した晒(布を白くする技法)や染色加工など、糸から原反までの一連の工程が全て産地内で可能です。 高島ちぢみは、通常の平織りにくらべ緯糸の撚り回数を約1.5倍以上ひねる事により生じるうね(縦しぼ)で肌につく面積を少なくし、織り糸の本数も通常180本のところ120本で織り上げることで、すきまを多く、風通しがよくなるように仕上げています。そのため汗をよく吸い、早く乾く性質を持っています。強撚糸を緯糸に使用し、伸び縮みする事により汗をかいても肌に張り付かず、べとつかない。 だから涼しい。高島縮の特徴です。 |
綺麗に清掃された高橋織物さんの工場内には60年代ドイツ製の糸巻きや車で有名な日産製の織機、合計20台以上の織機が稼動。
年間4万mの生地を織られています。 田園の中にある大きな建物が、高島縮を一手に加工する『高島晒協業組合』。
織物会社8社が合同出資にて昭和二九年に建てられました。 縮の加工には特殊な金型や、洗機が必要。
こちらの工場の設備では高温晒処理と金型を通る圧力で152cmの幅の生地が110cmになるほど掘りが深いエンボス加工技術もあります。これは日本でここだけしか持っていない技術。そしてやわらかい風合いのものからシャリ感があるものまで色々な加工ができるのも、この工場の特徴です。生地を晒した工場排水は、県の規制、市の規制、さらには昭和56年7月から施行された琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例をもクリアし、琵琶湖をはじめ、あらゆる自然環境の保全に万全を期しておられます。 |