SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“冬と春のあいだ/李 瀟瀟”
冬と春のあいだで、
冬よりの日と春よりの日があって、
あたたかい春よりの日は、
歩くのが楽しい。
暖かくなるにつれて、
外に出る足取りが、軽くなっていくのでしょう。
気になって行きたい行きたい、
と思いながら、
なかなか行けない、お店がある。
祇園のおはぎ「小多福」。
店主のおばあちゃん一人で切り盛りしているお店で、
カウンター席6席だけ。
おはぎは、小ぶりな一口サイズ、
味は青のり、古代米、青梅、白あずきを含め8種類。
とりどりの宝石箱のよう。
薄い緑とピンク色の宝石を2個選んで、
飲み物はコーヒーにしようと思って頼んだら、
「抹茶が合うよ~」
と店主のおばあちゃんが言ってくれた。
注文を受けて奥に入っていかれて、
シャカシャカと抹茶を点ててくれいる音が聞こえてきた。
大寒の次はもう立春。
骨身にしみる底冷えが、
おばあちゃんのおはぎと抹茶の熱のおかげで和らげた。
ほら、もう春はすぐそこに。
と思ったら、また寒の戻り。
冬と春のあいだで、
冬よりの日もある。
冷え込む冬よりの日は引きこもって、
好きな本を
繰り返し読む。
本には読んですぐには役立たなくても、
繰り返し読みたくなり、
じっくり心に働きかける力を
持つものがあると思う。
3年間掃除してきた棚であっても、
朝の光の差し込み方一つに、
新たな発見があり、
胸がときめき、
喜びもまた一つ、増やされた。
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