SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“【SOU・SOU日記】”
無敵のパルチザン
十代の頃から、ことあるごとに聴き続けている音楽があります。
チャイコフスキーの「OVERTURE1812」。
今にもまな板から飛び出さんばかりにピチピチだったころ、
とある小さなオーケストラで
この曲と出会いました。
耳には聴くことがあっても、いざ目の前に譜面を広げ
指揮者が操る音楽の一部になったとき、
カッと熱くなるような、赤い実がはじけるような、
なんとも形容し難い思いが、胸いっぱいに満ち満ちたことを思い出します。
出会ってから今まで、私は何度もこの音楽にとっぷりと浸かり、
時には、むくむくと力が湧き、時には、とことんまで荒れ狂う助力となってもらいました。
ちなみに私は、いわゆるアレグロヴィバーチェの部分が好きです。
あの強奏に轟く豪快なカノンがたまらない。
シンセサイザーも斬新だけれど、やはり本物にはかないません。
いつか私が死んだら、出棺のときに「1812」を
本物のカノンを使って演奏してもらいたい。
私のアブノーマルな夢です。
高橋木ノ実